中国の権力闘争 2011 10 10

 昨日の夜のニュースでは、
中国の前国家主席である江沢民氏が、
「姿、現す」というニュースが流れています。
 これに対して、江沢民派の巻き返しかと思う人もいるでしょうが、
事態は、そんな単純なものではないと思います。
 邪推になってしまうかもしれませんが、
現国家主席の胡氏が、江沢民氏の影響力を借りたいとも思えます。
 私は、以前から、中国において、
二つの指導力が競い立っていると書いています。
それは、政治的な指導力と軍事的な指導力です。
 なぜ、こうなってしまったのか。
まず、中国共産党の弱体化です。
中国には、アメリカを超えるほどの「経済的格差」があります。
さらに、日本にまで伝わってくるほどの「政治的・社会的腐敗」があります。
その上、深刻なダメージとなった中国版の新幹線事故もあるでしょう。
こうした問題を放置しているとして、人心が共産党から離れつつあるのです。
 次に、これは、世界の歴史に共通する問題です。
どんなに優秀な政治家でも、巨大化した軍をコントロールできない。
これは、人類普遍の法則です。
 今後、中国が、どうなるか、先が見えませんが、
経済的な繁栄が続くならば、何とか現状を維持できるかもしれませんが、
経済的な不振が続けば、北朝鮮のような先軍政治に移行する可能性があります。
それすらできない場合は、軍事クーデターも可能性としてあります。
 もちろん、人民解放軍も一枚岩ではありません。
政治指導者の力が弱ければ、軍管区同士の「戦争」も起きるでしょう。
軍管区の司令官が、中国統一という野望を抱いても不思議はないでしょう。
司令官に政治的な才能があれば、そういうことが可能です。
 こうしたことを書くと驚く人も多いと思いますが、
それが、中国4000年の歴史だったのです。
革命によって国が滅び、革命によって国が興る。
それが中国の歴史です。

人民解放軍 2010 10 24

書名 2013年、中国で軍事クーデターが起こる
著者 楊 中美  ビジネス社

 まずは、引用から始めましょう(以下、引用)。
ある人民解放軍の中将は、次のように主張している。
「(中国で)拝金主義が横行している。
金(マネー)の力しか信じない民族は愚昧で、立ち遅れた民族だ。
・・・・・政治体制の改革を、早急に断行すべきだ。
これから10年、中国に大きな変化があると信じている。
現在のカリスマ政治は民主的政治へと変わっていくであろう。
・・・・・民主制度に基づいて指導者を選出できなければ、
この国は崩壊の淵から引き返せない」
「中国人民解放軍は進歩的、革新的な武装勢力である。
必要なときには祖国のために勇敢に戦う決意がある」
 ある人民解放軍の総政治部の現役少将は、もっと直接的な発言をしている。
「中国でキルギスのような動乱が起きれば、軍は民衆の側に立つ」
(中略)
 中国の貧富の格差は凄まじい。
二極分化の程度を表すジニ係数は、諸説あるものの、
中国社会科学院の発表で、0.458〜0.5に上昇している。
0.5とは、警戒が必要な危険水域とされる数値である。
 拡大する一方の貧富の格差に、十数億人の労働者、農民は憤り、
改革派の軍人もシビリアンコントロールの則を踏み越える
覚悟を固めているのが実情なのである。
(以上、引用)
 その他に、目次から、いくつか取り上げましょう。
「習近平は、特権階級に手出しできない」
「富豪の実態は、太子党」
「共産党の高官自身も、相当な資産家」
「地方政府は、習近平の足元を揺るがす」
「住宅難の元凶は、地方政府の不動産ビジネス」
「地下労組」
「農民による太平天国前夜」
「退役軍人の造反を警戒せよ」










































































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